East African Fever

東アフリカに恋して20年。ウガンダ獣医としてのあれこれ。ブログ名は東アフリカが大好きで中毒化しちゃって離れたくなってしまった人たちが罹る架空の疾病名。

ウガンダ出国 その1(家を出る)

ついにこの日が来た。

明け方までふらふらと荷物をまとめていたが、お迎えの車の到着に

「いよいよか…」

という悲しさと、もうこのまともじゃない日々が終わるという安堵感がまじりあった複雑な感情が生まれる。

 

いつ帰れるかわからない。

先が全く見えない。

COVID19に勝利宣言目前のウガンダを出て、今まさにこれからピークを迎える日本へ向けて出発する。

なんなんだろう、これは。

 

でも自分には日本に帰る理由がある。迷いはないはず。

ただ、いつウガンダに帰れるのか、犬たちのことだけが心配。

緊急帰国や国境閉鎖で逆に日本からウガンダに戻れなかった…などの理由で、

飼い主さんたち的には不本意ながらもウガンダに置き去りになっていたワンコ2匹を
火曜日迄預かっていたが、
自分の出国に合わせて、なんとか別のお家に預けることが出来た。

よかった。

しかし今、その飼い主さんたちの辛さや不安が今度は自分の物に。

置き去りにする。

なんと心の痛むことなんだろう。

 

いつもなら名前を呼べばすっ飛んでくる2匹が

「どうせ置いて行っちゃうんでしょ?」

と言わんばかりに顔をあげない。

地面に伏せて目を合わせない。

わかってるね。さすがワンコ。

そう、今回は非常事態。次はいつ会えるかな。

 ここ数日、片づけでひっくり返ってる家の中を不安そうに眺め、

いつも以上にまとわりついてきていた。

私が出かけられないように車を見張ってた日もある。

 

ぎゅっと抱きしめて「ごめんね。必ず戻るよ。」と言って家を出る。

餌は沢山買った。

家もこの子らのために残していく。

お世話にお兄さんも住み込みでいてくれる。

今の私にできる精一杯。

国外退避の長い旅が始まった。